友人から聞いた夢のある転職


私の友人はあるコーヒーショップに勤めていました。チェーン店ではなく、個人経営の小さな喫茶店です。客入りはよく、そのコーヒーの味に虜になりリピーターになる客も多かったそう。そしてその店主と親戚関係で、仕事が無いと悩んでいた彼を不憫に思い、店で雇うことにしたそうです。

勤め始めて3年目。もう店のことを任されるようになり、コーヒーを注ぐ腕も目も鋭くなってきました。店主はもう安心と安堵していたようなのですが、ある求人広告が彼の目に止まり、彼の人生を変えました。その広告のコピーはこうです。

「今のままで本当にいいのか?自分の安住の地はそこなのか?体力に自身のある者、うちにこい!」

強烈なコピーではありますが、なんてことはなくその求人は漁師の求人でした。もともと住んでいるところが外洋に面していることもあり、その街では漁師の求人も盛んだったのです。

その求人広告のコピーに衝撃を受けた彼は店で働いている時もその言葉を思い出してはボーっとしていたようです。そして理由を尋ねた店主に事を話すと、店主は快くその漁師への転職を勧めてくれたようです。

「自分のやりたいことを見いだせなかったから燻っていたわけだけど、そうやって衝撃を受けて就く仕事は打ち込めるはずだ」そう店主は言って彼を送り出したようです。

今では彼はアラスカ沖で鮭を獲っていることでしょう。