エリート街道を走っていた男が進学塾へ転職

もともと学生時代勉強が好きで、知らないうちに勉強し、知らないうちに成績が上がり、知らないうちに良いとされる国公立の大学へ進学した。そして大学でもそれなりの成績も残し、かなりいい成績で卒業したのを覚えている。

そんな私も就職した。というかかなり色々なところからの勧誘があり、この就職氷河期時代において私にとっては買い手市場の状態だった。合同面接会を受けても印象はよく、私はその何社もある求人の中から一社選択した。その会社は歴史の古い保険会社で、主な業務は営業。名の知れた大企業なのでCMなどでも大々的に宣伝されている。

さて、営業の仕事に転職し始めて3年。頑張ってやってきた。保険の営業はお客様との信頼関係が第一で、私もその理念に則って仕事をした。しかしなんだかあまり情熱が持てない。やっていることは大切だし、収入も十分あるのだが、どうにも情熱が持てなかった。

そんな折に、私に一本の電話がかかってきた。大学時代の友人で今はその大学の助教授をしている男だ。私は正直に今の仕事に対する悩みを打ち明けた。情熱が持てないこと、仕事が好きになれないことなど。そんな私に友人がある有名進学塾への転職を勧めてくれた。私はその通りに会社を辞め、その進学塾の面接を受けることにした。

面接はスムーズに進むことが出来た。なにせ営業で働いていたため、面接などの受け答えもスムーズに進んだ。結果は合格。

さて、今ではその進学塾で生徒たちの勉学をサポートしている。学生時代にやっていた勉強が今になって役立ち、それが自分のやりがいになっている。